タイルといえば、昔の住宅は必ずと言っていいほどお風呂・トイレ・台所などの水回りの広範囲に使っていましたが最近の住宅で見かけることは少なくなりました。単にタイルより安価で手軽に取り入れやすい素材が普及したからかと思われます。そのため、10代や20代の方はタイルと聞くと水回りに張ってある規則正しいものというより、おしゃれな外国風のカフェのキッチンや外壁というほうがイメージしやすいのではないでしょうか。
このように時代とともにタイルの用途は変化しつつも変わらず建物の見た目を彩る仕上げ材として使用されています。それはタイルが耐久性に優れ、経年劣化がほとんどなく、メンテナンスも比較的容易でデザイン的にも美しいからだと思います。
しかし、どんなにすばらしいタイルでも、倉庫の片隅に眠っていては意味がありません。タイルは、実際に職人さんの手によって建物等に使用されて初めてその良さが生きてくるのです。規則正しく均等に並んであるタイルですが、実はこれらは職人さんの手によって、一枚一枚手作業で丁寧に張りつけられています。
近年ではタイル職人さんの数は年々減少しています。特に若い世代の職人さんがあまり育っていないのは前述したように身近にタイルの存在を感じられない分、認知度が低下しているのかと思われます。